21.6.8 おうごん
肌色と緑の砂浜がある。
どちらが海なのかはわからない。
透明の朱色の光線によって、
肌色の砂はすこし金色に光る。
緑色の芝生には鷺と渡り鳥がまんべんなく休んでいる。
なかには腹這いになっている鷺もいる。
今日の昼の太陽のあたたかさが草の間で冷えつつも、
すこしのこっているのだろう。
茶色の渡り鳥たちは気の向くままに草の間をついばみ歩いている。
一方、鷺たちは一定の距離を保ってあまり動かない。
みな、太陽に背を向けて、同じ方向を見ている。
太陽は時間の経過とともに弱っていく。
いまは午後5時半ごろである。
直立している鷺が、きまぐれに羽をばたつかせた。
ここはだれもいない野球場である。
野球場の外には公園の池がある。
池は鏡となって太陽を映していた。