26.3.6 キノコ
髪を短く切った。むしろ刈った。職場で来る人みなに言及されるのが憂鬱な気持ちになり出社するが、案外ちやほやされていい気分になる。
アラレちゃんのキノコに似ていると言われ、帰って調べたらほんとうに似てる。
帰りのバスの中で街に雨が降り出した。他人事みたいに眺めているとヌルヌルとしていて綺麗。雨が降りはじめたときの風の生暖かさが好き。
帰宅して晩飯に作ったクリームシチューがよい出来だった。ヒイカを内臓も含めて5杯くらい入れた。猫もイカを喜んで食べた。
総じて幸せな1日だった。
26.2.9 コアラ
雪の降った2連休。
ベッドに横たわって降る雪を眺めていた。
最初は羽が舞い落ちるように軽やかな振り方がどんどんざんざんと暴力的になっていって少し不安になった。
ベランダに猫を放ったら寒さですぐ帰ってくる。雪がくっついた猫はとても可愛い。
珍しく雪の積もった街が面白くて、夜の街で遊ぶ。街に続く橋には積雪が凍ってガチガチになっていて歩くのにみんな苦労していた。
バーカウンターでお店のお姉さんと英国の青年と三島由紀夫の話をした。「脅迫観念 : compulsion」。自分の拙い英会話に少し自信を持った。
みんなでカラオケに行った。青年はもちろん洋楽を歌うのだけど、洋楽のカラオケって音質からビデオまで全体的に作りが雑だ。なぜか『2001年宇宙の旅』のしょぼいバージョンのCGが毎回流れていた。
お姉さんの家の猫はすごく怒りん坊で可愛い。
押入れの陰を陣取っているその猫、少しでも話しかけたり見に行ったりすると猫語を発して怒る。触ってもいないのにパンチやシャーを繰り出してくる。そこ猫の名前がコアラ。
26.2.5 ティーラテ砂糖不使用
このまえ作ったゆずはちみつのゆずが腐っていて、それを使って夕食を作って食べたら盛大に食中毒になった。
ゆずはちみつに醤油を溶いて野菜など蒸すとおいしかったのだ。
休みの日にスシローに行こうと決めていたのに、家で寝込むことになってしまった。
臥床して2日間、特に何もしないのは精神的に参る。窓の日が暮れてくると、自分は何もできない人間でこれからも何もしないのだろうと思って暗い気持ちになった。
こたつに電気ランタンを忍ばせて、眠る猫たちを観察している。最初はときめきに満ちているけど、だんだん飽きてくるので、足で猫をつついたりする。すると猫は嫌そうな反応をするか、起き出してわたしの胃を圧迫しにお腹に乗ってきたりするのだ。
お腹が元気になったら焼肉を食べに行きたい。焼きそばにマヨネーズをかけて食べたい。
25.11.30 グランドホテル
友人と金曜の夜に飲みに行く。
5年くらい憧れていた居酒屋に予約して行った。とんでもなくユートピアだけど、店の中年女性の接客態度が悪くて素直に幸せな気分になれなかった。
ラグジュアリーな通りを歩いて満腹感を軽減させる。街はクリスマスシーズン。金色のオーナメントやら電飾がちらほらあった。カップルの若い女性は黒いハーフパンツとブーツを履いた格好をみんなしている。
バー街に到着したものの、金曜の夜で思いつく店はどこも満員で途方に暮れて、すこししょんぼりして彷徨う。
お気に入りで誰かと行くことを想定してなかったバーに友人を連れて行く。
そこでキープしたボトルを空ける。次々と店の人に注ぎ足されていくハイボールを何杯も飲んだ。モノクロ写真で友人との写真を撮ってもらった。店主のヴァイオリンを弾かせてもらった。ヴァイオリンはいかに垂直に弦を弾くかが大事なことを知った。わたしが弾いた音は貧乏くさいぺらぺらの音だった。
友人が店に馴染んでいて安心する。
店主はいつも寝てしまうわたしに保護者がついていることに安心していた。
帰り道にポテトチップスを食べながら誰かの家の軒先に1枚ずつ置こうとしていたらしい。
気付いたら友人とこたつで寝ていて8時だった。わたしはコートを着たままの格好で、顔と喉がカラカラに乾燥していた。
猫が遠巻きにわたしを見下ろしていた。
25.11.17 木枯らし
休み明けで月曜日で、もっとまともな生活をしようと思った。夜まで過ごしてみて、なかなかまともに1日を過ごせた。
一週間前はそれは酷かった。仕事帰りバスに乗る途中でビールが飲みたくなり、中華料理屋やサイゼやとんかつ屋に入る。なにかしら酒を飲んで、その勢いで食欲を限界まで満たしたくなる。たとえば中華料理屋さんで中瓶を飲みながら餃子と炒め物を食べたあと、ブーストがかかってとんかつ屋でまともに定食を食べる。
それでもまだ足りなくてコンビニで生チョコっぽいおやつを全部集めて買って家で食べる。
全部食べたあとはトイレに吐き出す。
それがとても気持ちいいときと機械的に吐出してるときとがある。
いずれにせよ翌朝はすごく気分が悪い。
10年以上こうやって食欲と自分の消化器で遊んでいる。さすがにこの遊びが最近毎日になってきて、経済的にも健康にも危機感を抱いてきた。だから、今日からもうちょっと人に話しても引かれない生活を始めていきたいのだ。
窓から冷気が入ってくる。木枯らしが吹き荒んだり止んだり。冬の寒さ。
今日は寄り道しないで家に帰ってごはんを作って食べた。そのまま少し勉強して、お風呂に入った。風呂上がりに筋トレとストレッチをした。このまま22:30に寝て朝6時に起きられたら今日は完璧。
21.8.25
帰宅途中、自転車で信号待ちをしていると、向こう岸の国道の植え込みのかげに黒と白の細長い猫が見えた。
猫は国道を渡りたいらしく道路の方を見ているようだった。
猫の前には国道を渡る30mほどの長さの横断歩道があって、ちょうど信号が青になったところだった。
走ってきた車たちは、その前で停車して、白く眩しいライトで横断歩道を照らしていた。
猫は、車の前をちょこちょこと横切って、横断歩道をゆっくり渡っていった。猫は対岸にたどり着いて、また植え込みのかげに隠れていった。
21.6.8 おうごん
肌色と緑の砂浜がある。
どちらが海なのかはわからない。
透明の朱色の光線によって、
肌色の砂はすこし金色に光る。
緑色の芝生には鷺と渡り鳥がまんべんなく休んでいる。
なかには腹這いになっている鷺もいる。
今日の昼の太陽のあたたかさが草の間で冷えつつも、
すこしのこっているのだろう。
茶色の渡り鳥たちは気の向くままに草の間をついばみ歩いている。
一方、鷺たちは一定の距離を保ってあまり動かない。
みな、太陽に背を向けて、同じ方向を見ている。
太陽は時間の経過とともに弱っていく。
いまは午後5時半ごろである。
直立している鷺が、きまぐれに羽をばたつかせた。
ここはだれもいない野球場である。
野球場の外には公園の池がある。
池は鏡となって太陽を映していた。